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大学セミナー・ハウスと吉阪隆正

 

京、八王子の多摩丘陵に建つ大学セミナー・ハウスは、吉阪隆正+U研究室の代表作でDOCOMOMO20選にも選ばれている。

1960年代の高度成長期に、大学でのマスプロ教育への問題提起から、人の交流の場をつくるための理念を形にした研修施設として誕生した。 1965年に第一期の本館、中央セミナー館、宿泊ユニット群が完成してから八期にわたり、20年の時間をかけて自然環境と地形を生かした新しい施設がつくられてきた。

今では誰もが使う「セミナーハウス」は創設者、飯田宗一郎氏の造語であり、吉阪隆正とU研究室のメンバーがその理念を受け、大地に楔を打ち込んだ逆ピラミッド型の本館、地形に沿って配置された7つの宿泊ユニット群、シェル構造の講堂と図書館、宿泊棟、野外ステージなどを次々に設計した。

ひとつひとつそこにふさわしい形を持つ建築、建具や手摺、階段のディテールなど、何度訪れても新鮮な発見のある場所をつくり出した。そして、樹木が育ち森は深くなった。

同時期に周辺は宅地造成工事が進み、緑は失われ、見る見る地形を変えていった。拡大する郊外住宅と多摩ニュータウンの開発に挟まれながら、多摩丘陵の自然を残す貴重な場所になっている。
   
本館外観
 
中央セミナー館外観
 
中央セミナー館内観
 
中央セミナー館階段
 
ユニット群外観
 
ユニット群外観
 
ユニット内部

第一期竣工時/Photo:U研究室

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